2007.12.10
InterBEE 2007レポート

2007年11月20日~22日開催
今後、大注目のAR製品
視点を変えた既存技術で勝負!
InterBEE 2007では、主要映像アプリケーションメーカーから、業務用カメラメーカーまでが一同に集い、恒例の大型ブースを出展。様々な新製品のデモンストレーションが行われていました。
大手メーカーの動向は、常に興味深いのですが、今回はちょっと目先を変えて、新しいコンセプトとして登場した製品、アプリケーションをピックアップしてみました。
4K デジタルビデオカメラ “RED ONE”
多くの人がInterBEE 2007の目玉としてあげるのが、このRED ONEカメラでしょう。

RED ONEを構えるテッド・シロビッツ氏。
このRED ONEはBASE PRODUCTION PACK
このRED社の創始者は、サングラスメーカ―であるOakleyの創始者でもあるJames Jannard氏。彼の卓越したデザインセンスと、ユーザーシチュエーションを取り込み、見事に調和させることで、RED ONEが生まれました。
独自ブースこそ持っていませんでしたが、開発パートナーであるアップルジャパンブースで日に1度行っていた特別デモンストレーションは毎回満員御礼、実機展示をしていた西華産業ブースも常に人だかりとなっていました。

デモンストレーションを行ったRED ONEのテッド氏
写真左がRED ONEデジタルビデオカメラ
なぜこのカメラが今注目を浴びているのか? その理由は設計コンセプトにあります。ビデオ撮影を行う場合、境や撮りたい絵によってレンズを換え、グリップをつけるなど、機材を整える必要があります。そのため複数台のカメラを用意する事になりますが、RED ONEは撮影環境に合わせ、パーツを組み合わせるような形で対応するように考えられています。それがモジュラーデザインです。
このカメラは既に、映画『ロードオブザリング』などで名高いPeter Jackson氏からも早くから注目され、パイロットムービ『CROSSING THE LINE』を4Kで撮影していました。
RED ONEは、ボディが17,500ドル(2007年11月現在)と、RAWによる4K対応カメラとしては非常にリーズナブルになっており、これからのDI(Digital Intermediate)ワークフローにとっても、キーとなる製品になるでしょう。※4Kについての解説(記事中段)
NTI DRAGON D’FusionのAR製品
まずは AR(オーグメンティッドシステム)って何? という人もいるかと思いますので、簡単に説明します。
全ての環境がCGなどで作られた仮想空間をVRというのに対し、ARは強調現実といわれ、現実の中に仮想世界を存在させる技術を指し、よくVRとリアルの中間と表現されます。
ARの先駆者として、仏TOTAL IMMERSION社の日本代理店でもある(株)NTIがDRAGON D’Fusionの面白い展示をしていました。


左:グリーンのパネル上にCGテロップがリアルタイムで合成され、
パネルを動かしてもテロップはずれない
右:グリーンのパネル上にCGテロップが合成された状態で映像として映る
左から右の写真にあるように、グリーンのパネル上にCGテロップが合成されます。写真では動きが分からないのですが、パネルを動かすと、ちゃんとテロップがトラッキングしています。
これならば、フリップを持つ司会者が合成ずれを起こすといった心配はありませんし、さらにこのシステムでは、布(例として、エプロンなどをあげていました)などでも設定が可能だそうです。
HDにも対応しているため、天気予報やバラエティ番組で多く採用された実績もあり、新しい技術でありながら、安定したシステムといえます。
新しいコンセプトが映像業界の流れを変える
RED ONEのモジュールデザインカメラとD’Fusionを今回取り上げましたが、この2つの製品には共通点があります。それは、既存技術の組み合わせでありながら、新しいコンセプトを持ち込むことで、ユーザのニーズに対応したということです。
RED ONEのモジュールデザインというのも、実はレンズ交換ができるカメラは昔からありましたので、その発展形であるといえます。ARもまた、VR技術をリアルと半分ずつにしたらどうなる?といった発想から生まれたかのように思えます。
新製品発表というと、既存機能の拡張や合併による技術買収的な紹介が多い中、この2つの製品は、視点を変えて新たなコンセプトを生み出すことで、驚嘆し、共鳴できる製品を作り上げていました。2008年は、このRED ONEやD’FusionをはじめとしたAR製品が、もっと身近に映像の中で使われていくことでしょう。
関連リンク
RED
ピーター・ジャクソン氏(Wikipedia)
西華産業
次世代メディアとXSI#1 4Kについての解説(記事中段)
(株)NTI
DRAGON D’Fusion
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