2006.07.12
Super Normal展レポート

プロダクトデザイナーのジャスパー・モリソンと深澤直人のキュレーションによる展覧会「Super Normal展」のレポートをお届け!
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「スーパーノーマル」なプロダクトたち
Super Normal(スーパーノーマル)展は「普通を超えたもの=スーパーノーマル」 というテーマでプロダクトデザイナーである、ジャスパー・モリソンと深澤直人がキュレーションしたプロダクトを展示する展覧会です。展示空間は、展示物が引き立つようにテーブルの上に整然と並んでいるといった印象。ちなみにこのテーブルは建築家であるジャン・ヌーヴェルがデザインしたテーブルで、これも展示物の1つになっています。
展示されているものはジャスパー・モリソン作のゴミ箱「Trash」や深澤直人作の±0(プラスマイナスゼロ)の製品など、一目見たときの美しさを感じられるものたちが顔をそろえています。ヘキストマスのメジャー、ホルベインの筆や三角スケール、リキテックスのジェッソなどデザインに関わる人は思わず反応してしまうような物や、黄色いキャップの墨汁、ボトル入りのヤマト糊、チョロQのミニカー、スーパーマーケットにあるカゴなど、誰もが使った事があるであろう「ノーマルさ」を持つ物が展示されています。
私たちの日常生活に当たり前のように溶け込んでいる物たちを、改めて整然とした空間で見てみると「おやっ?」っと反応してしまう違和感が残ります。どうやら、この違和感こそが今回の「スーパーノーマル」展のポイントであるように思えました。
“普通”であることの価値
展示パンフレットには「スーパーノーマル」について、以下のように書かれています。
「スーパーノーマルなものとは、毎日使うものを絶え間なく進化させてきた営みの成果であり、形態の歴史を打ち壊そうなどという試みではない。むしろ、ものの世界でその収まるべきふさわしい場所を知り、その歴史を集約しようと努めることである。スーパーノーマルは「普通」を意識的に代替しようとするもので、時間と理解を要するだろうが、毎日の生活に根づいてゆくはずだ。 ─ ジャスパー・モリソン」
「道具と使い手の最低限の合意がノーマルを成している。ノーマルは長い間に人間によって抽出されたエッセンスが凝固したものということもできるし、よけいなものが削り取られて風化した、生活の中で残ってきた必然の姿でもある。そこにデザインはなく、むしろだささがにじみ出ていながら生活の中で淘汰されなかったという事実に、悲しい程の魅力がこもっている。 ─ 深澤直人」
キュレーターである両氏は、普段の生活に密着し自然と暮らしに溶け込んできた「ノーマル」な物たちに、「スーパーノーマル」という観方=価値観を与え、愛情をそそぎ、賛美を贈っています。それは、「普通」である事に対する新しい価値を創造しているともいえるでしょう。
デザインを意識させないデザイン
人の暮らしにヒタと寄り添い、長い進化の歴史と時間をたっぷり吸収している、人とプロダクトとの関係。その関係に「スーパーノーマル」という新たなキーワードを与えることで、突如新鮮味を帯びてくるから不思議です。この前レポートしたD&DEPARTMENT展にも共通したものを感じます。
もう少し大きなスケールに視点を変えて、人々の暮らしから「スーパーノーマル」的な現象を見てみましょう。最近、美しい日本の風景とその価値が見直されつつありますよね。下町の長屋や、山の斜面に有機的な模様を作り出す棚田の風景などがそうです。それらは人の生活様式に伴って、長い時間をかけて形成されていった形態です。それらはデザインという作為的なファクターを意識させず、ちょっぴり&しんみりと人間味が感じられるデザインとして成立しているのでは?と思わされます。
スーパーノーマルという考え方は、デザインを意識するライフスタイルが広まっている今だからこそ、これからのさまざまなデザインを考える上で、重要なキーワードになるのではないでしょうか。
関連リンク
六本木AXIS
スーパーノーマル展
ジャスパー・モリソン
深澤直人(Wikipedia)
ジャン・ヌーベル(Wikipedia)
ジャスパー・モリソン「Trash」
深澤直人「プラスマイナスゼロ」
D&DEPARTMENT展レポート
drawing and manualが表現するD&DEPARTMENT展
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