みなさん、こんにちは。 今回はいつも巻末でやっているHelveticaのDVDからの「著名人の気になる一言」を拡大し、コラムを書いてみたいと思います。
このひと言はHelveticaのDVDに登場する数多くの著名人の中でも、一際目立って語っていたマイケル・ビェルート氏によるもの。いわゆるCI/VIの分野の話であり、数十年前に流行ったCI/VIブームが過ぎ去った今でも、簡単なことのようで実はかなり奥が深い分野でもあります。
今回は前編として、その概念を中心にお伝えします。
そもそも1つの書体で統一するメリットとは?
世界的に有名な書体“Helvetica”を例にとってみましょう。皆さんが日常生活していて、Helveticaを使った企業・お店と言えば、何を思い浮かべますか? Helveticaをロゴタイプに採用している企業は世界中にたくさんありますが、その中でもパっと思いつくものがいくつかあるはずです。その「Helveticaといえば○○○」という認識を働かせることこそが、1つの書体で統一することの最大のメリットなのです。
少し唐突過ぎたかもしれません。具体例で見てみましょう。私の場合、Helveticaといえば、アメリカの有名なアパレルブランドであるAmerican Apparel(上)、街を歩いていると一際目立つ赤のDesign Tshirts Store graniph(中)、アメリカの航空会社American Airlines(下)の3つを思い浮かべます。どれもHelveticaを用いたブランディングが成功している例です。



皆さんご存じのように、Helveticaは中性的で空気のような書体です。さらにMacintoshには最初からインストールされており、誰でも自由に使うことができます。そうであるはずなのに、
- Helveticaといえば“American Apparel”
- Helveticaといえば“Design Tshirts Store graniph”
- Helveticaといえば“American Airlines”
というように、Helveticaがその企業をイメージするものの1つになっています。Helveticaをロゴタイプに採用している企業は多く、Helveticaに関しては特別支配力を持っているとは言えないかもしれません。例えば、Panasonic、The North Face、FENDIなどが思い浮かびますし、皆さんがもし同じ質問をされた場合、違う企業が思い浮かぶのではないでしょうか。
できるならば、1社1書体のイメージを定着させるほうがいいことは言うまでもありません。現状Helveticaでは敵、しかも強敵が多すぎです。
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