2009.05.25

改めて「フリーフォント」の存在について考える

イメージ:改めて「フリーフォント」の存在について考える

フォントブログ ANNEX ♯15
山田晃輔(PETITBOYS)

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みなさん、こんにちは。今回は、フォントの醍醐味とも言える「フリーフォント」のお話を「改めて」してみたい思います。

皆さんも一度はダウンロードして使ったことがあるんじゃないでしょうか? 過去にフリーフォントは、インターネットというメディアを通して爆発的に広がり、大ブームが巻き起こりました。現在下火になったとはいえ、GoogleやYahoo!において、“フリーフォント”で検索をかける方が多く、またソーシャルブックマークサービスにおいても、フリーフォントの話題を扱った記事は相当のブックマーク数を集めています。それらからも分かるように、依然フリーフォントは強い人気を誇っています。

定義が難しい「フリーフォント」、配布する目的とは?

フリーフォントは、言うまでもなく free(自由、無料)+ font(フォント)の2つの単語が合わさったもの。しかしながら、freeの部分の解釈が、配布する側にとっても、使う側にとっても“それぞれの解釈”になってしまっているため、コミュニティや掲示板などではトラブルの元となっています。まずは様々な種類があるフリーフォントを今一度定義してみましょう。

  • 製品版フォント販売のためのプロモーション用「フリーフォント」
AXISフォント モトヤ
試用版のフリーフォントを提供するAXISフォント(左)とモトヤ(右)
日本のフォントファウンダリでも多く見られるのがこのパターン。通常は製品版フォントとして販売しているものを、文字数やウエイトなどの仕様の一部を制限し、幅広くユーザーに使ってもらう。そして、気に入ったら製品版を購入してもらうというものです。メールマガジンやユーザー登録をしてもらい、一定のユーザーを確保する目的もあります。
  • デザイナー自身のプロモーション用「フリーフォント」
マニアッカーズデザイン FLOP DESIGN
数々のフリーフォントを提供するマニアッカーズデザイン(左)、FLOP DESIGN(右)
フリーフォントを制作・配布している方の多くは実際デザイナーとして職を持っている方がほとんどです。日本でも古くから配布している方がたくさんいらっしゃいますが、多くがこのパターンに当てはまるでしょう。フリーフォントを配布する代わり、もしくは制作を実績にし、自身の名を広めながら他の制作物も見てもらう。そして、今後のお仕事につなげていくという目的です。どちらかと言えば、私(PETITBOYS)もこのタイプです。
  • 作ってみたので、とにかく多くの人に使ってもらいたい「フリーフォント」
海外のフリーフォントデザイナーや日本のデザイナー以外の一般の方に多いパターン。自分自身の名を世に広めたいという目的もあるのでしょうが、趣味の範囲で作っているので、そこまで本気ではない…といったものです。近年フォントは比較的簡単に作ることができるようになってきたため、自分の手書き文字をフォント化する方が増えてきました。

細かく見ていけばもっと沢山の解釈があるかもしれませんが、大まかにこの3つに分類されます。大体の場合において、フリーフォントの配布には、制作者にとってなんらかの目的があり、プロモーションのための1つの手段となっていることを覚えておきましょう。

では、次のページでは「すべてのフォント=無料」という認識がもたらす危うさについてお話を進めます。

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