冬の間長く待ち望んだ春が訪れ、街が明るい活気に溢れてきたベルリンから、今回はドイツのコミックシーンの状況と、ドイツ唯一の漫画図書館「Renate」、コミック界をリードするベルリンの出版社「Reprodukt」をご紹介します。
「漫画」とは違う、ドイツの「コミック」
ドイツのコミックシーンはフランスやベルギーに比べこれまでマイナーな存在でしたが、10年ほど前からドローイング作家や版画作家の表現の一種としてアート界から大きな影響を受けながら、独特な発展をしてきました。近年アジアからの「MANGA(漫画)」熱の追い風を受け、ゆっくりですが確実に成長しています。
※ドイツでは、「MANGA(漫画)」は独立したジャンルとして存在していて、「コミック」とは別モノとして扱われています。

ドイツで発行されている日本の作家、丸尾末広氏の作品。
ドイツで唯一の漫画図書館「Renate」は、元々はコミック作家・愛好家の集会場でした。彼らの収集したコミックを広く一般に公開しようということから1989年に今の図書館という形になったのです。近年地価の高騰するミッテ地区で、家賃の支払いに苦心しながらも、ベルリンっ子やベルリンを愛するアーティストの巣として大変愛されている場の一つです。

左)コミックが所狭しと並ぶ館内。隠れ家にいるような感覚でゆったり読書できる。
玄関口はショップになっていて、ベルリンの最新シーンがここに並ぶ。
右)大人気コミックアーティストMaewil(マービル)もここの常連。
毎月第一月曜日の晩に開催される「Comic Tisch」という交流会には、多くのコミック作家、出版社、愛好家が集まります。ビールを片手に夜が更けるまで談話するアットホームな雰囲気の中、ベルリンのアーティスト達の熱い思いが集います。
また、週に一回コミック教室も開かれていて、大人から子供まで参加が可能。老若男女問わず、みんなでわいわいと楽しく絵を描く姿がほほえましく感じます。こういった場から、ドイツのコミックシーンは徐々に広がっていっているのです。

子供たちが集まったワークショップの様子。
次のページでは、ベルリンで設立されたコミック専門出版社、「Reprodukt」をご紹介します。
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