皆さんこんにちは。DHです。
外も、オフィスも省エネで暑いと思いますが、がんばって乗り切りましょう。
いよいよ、このコーナーも第3フェーズに入りました。このフェーズでは、現在、手掛けている「キャラバンカー」のデザインについて紹介したいと思います。
キャラバンカーとは
皆さん、「キャラバンカー」というものをご存知でしょうか。一言で言っても様々な種類があります。イベント会場に乗り付け、荷室のウイングドアを上に開けて車内で演奏イベントを行なったり、キッチンメーカーが自社のキッチンを積んでホームセンターなどに駐車・展示してイベントを行なったり、このほか、電機メーカーの製品展示や電力会社のガスからの乗り換えイベントなど、意識して見てみると、意外とキャラバンカーは身近にいるものです。
キャンペーンのプランナーとして、デザイナーとして、もし、皆さんがキャラバンキャンペーンのプロジェクトに関わることになった場合、真っ先に考えがちな展示部分のデザインのみならず、それ以前に決めなければいけないことがたくさんあります。今回は「デザインの下準備」について紹介していきましょう。

キャンペーンの概要・目標を決める
まず、キャラバンキャンペーンの概要を決めます。もちろん予算は最も大きな決定要素ですが、それ以外にも全国を何ヶ所回るのか、短期間に一気に回るのか、それとも少しずつ長い期間をかけて候補地を回るのか、などです。この辺りはキャンペーンの内容によって決まります。車両が何台必要になるのかも、ここでだいたい決まります。
同時に、キャンペーンの目標を設定します。費用対効果が厳しく問われる昨今、何ヶ所を回るのか、という運行目標だけでは満足しないクライアントも多いはずです。その場合には、キャラバン先で配布したノベルティの数やアンケート回収数、BtoBビジネスのキャラバンにおいては、新規顧客数を開設口座数でカウントしたり、展示商品サンプルの新規依頼数、店頭POPの要望数の増加度など、さまざまな数値評価のものさしを検討・採用しましょう。

車の買い方を決める
そして、車両は買取りか、レンタルか、リースなのかを決めます。レンタルやリースであれば、キャンペーンの内容を考慮し、使用期間を検討。リースは年数によって年間支払額が大きく異なる上、使用期間を長くしすぎると「最初の1、2年で主な候補地を回りきってしまい、それ以降は(車が)行くところがない」ということにもなりかねませんので、使う側(営業部門など)の意見もしっかりヒアリングしておきましょう。
運行スケジュールは、あくまで目標・見込みです。クライアントが設置先に(例えば、キッチンメーカーが展示先のホームセンターなどに)案内・提案をする内容に対して、設置先の要望で使用状況は大きく変わります(土日の要望がメインになったりなど)。
業者を決める
次は車両の製作手順と、業者を決めます。ベース車両の車両メーカーはもちろん、展示部分であるベース(箱)を作る架装会社も、ラリーの競技車両を作るような本格的な会社から、個人に近いところもあります。内装加工業者も展示会中心の造作会社やキャンピングカーの改造が得意なところなど、いろいろです。このほか、ドライバーを手配する会社、保険会社なども関わってきます。
そして、いよいよ車両製作にかかります。
車両のタイプ・サイズを決める
まず、車両のタイプやサイズを決めます。2トントラック、4トン車、ワンボックス、軽車両、どれにするかです。もちろん、中に積むもののサイズは考慮しますが、誰が運転するのかが重要です。専属の運転手やプロのドライバーに頼むのなら、ある程度大きい車両でも大丈夫ですが、もし各地の社員などが運転するのであれば、普通免許で運転が可能なサイズ(積載重量)にしないといけません(注)。ロング車、ワイド車など荷室部分はバリエーションがかなりありますので、車両メーカーや架装業者、内装加工業者と細かい確認が必要です。
注:2007年6月に運転免許に関する法令改正があり、その前後どちらに免許を取ったかによって、最大積載量が異なります。
いかがでしたでしょうか?
キャラバンカーは単にイニシャル費用が大きいだけでなく、運行や目標、キャンペーン全体の計画など、車両以前に考えなければいけない要素がたくさんあることがおわかりいただけたと思います。まずは「車をどう買って、どう使うか」を考えるところが大事。
その物はどういう物なのか、根っこをきちんと考えた上でデザインを考える
永井一史(クリエイティブディレクター)
ここまで決めて、やっとデザインに取り掛かることができます。
それは次回からお話ししていきます。
関連リンク
語録に探る「デザインのトリガー」のバックナンバー
自動車運転免許に関する法令改正(Wikipediaの「普通自動車」の項を参照)
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