2008.12.12

既存のデジタルフォントを使って、ロゴを制作してもかまわない?

イメージ:既存のデジタルフォントを使って、ロゴを制作してもかまわない?

クリエイティブのための知的財産権講座 ♯9

バックナンバー(♯1〜6公開終了)

今月のQ&A

【Q】既存のデジタルフォントを使って、ロゴを制作してもかまわない?

【A】私用ではOKです。商用では別途の許諾契約が必要な場合があります。

今月の解説

現在、ほとんどのデジタルフォントがアウトラインフォントで、その数は年々増大しています。アウトラインフォントは、使用サイズに関係なく高精度な文字が再現でき、デザイン加工も可能です。そのためこれを使ってロゴをつくりたいと思う人は多いでしょう。

しかし、購入したデジタルフォントはフォントそのものを買ったのではなく、使用権を買ったにすぎません。ですから、記載されている使用許諾契約に基づき、許容される範囲でしか使用は認められないのです。

かつて活字や写植といったアナログフォントの時代には、使用が制限されることはほとんどありませんでした。デジタルフォントの使われるメディアが拡大し、使用状況が大きく変わったこと、つまり、多大な経費と労力をかけて制作した知的財産が、いとも簡単にコピーされ改変使用されたりする現状を見ると、各ベンダーが規制を設けるようになったのはやむをえないといえるでしょう。

デジタルフォントの使用に関しては、一般に非営利目的のいわばプライベートユースでは、とくに制限されてはいません。

これに対し、商用使用に関しては、通常一次使用と二次使用に区分されます。紙媒体を主とした印刷目的での使用が一次使用で、これはほぼ許諾されます。二次使用は、たとえばデジタルコンテンツや映像コンテンツなどでの使用です。ロゴ使用は二次使用にあたります。その使用許諾に関しては、図に示したように各社で異なっています。

デジタルフォントを使ったロゴタイプ制作の使用許諾

ご覧のとおり、ロゴへの使用を許諾範囲とするところと、新たな使用許諾契約・使用料の支払いを必要とするところがあります。

ただ、許諾範囲とするモリサワやタイプバンクも、商標登録は認めていません。最近ではフォントの入手方法も、従来のパッケージ販売や単一書体のダウンロード方式に加え、モリサワのPASSPORTに見られる年間一括契約方式が登場するなど多様化しています。

デジタルフォントを使ってのロゴ制作も、元字そのままでの使用から改変使用まで、かなり使用状況に開きがありますから、販売元にその使用許諾の確認を含めて問い合わせてみるのがベストです。

近年デジタルフォントの海賊版が横行しています。正規のフォントでは許諾されていない使用をするために、これを購入する人もいるようですが、このような行為は決して許されるものでなく、責任ある行動を望みたいと思います。

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3649_02.jpg この連載はクリエイターに必須の知的財産権の知識をQ&A形式で紹介する連載です。講師は、印刷、グラフィック、タイポグラフィ、イラストなど各分野の法律の専門家。Web版ではアーカイブを順次、全文紹介しています。デザインやDTPなどの制作業務に、ぜひお役立てください。

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(大町尚友)

関連リンク

クリエイティブのための知的財産権講座 バックナンバー(♯1〜6公開終了)
DTPWORLD 2008年6月号 Vol.120(掲載号)
DTPWORLD 2009年1月号 No.127(最新号)

大町尚友さんプロフィール

おおまち・しょうゆう●タイプディレクター。日本タイポグラフィ協会・監事。1941年広島生まれ。ライブクリエイション主宰。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科講師。

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