CGの表現力が試された作品
母親と幸せそうに歩く少年に、突然の母の死、地震、戦争、怪我や孤独など、尽きることのない“痛み”が次々と降り掛かる。絵画のような柔らかいトーンながら衝撃的な内容を描くこの約1分の映像は、フランスのNGO「Pain without borders」によるTVCMだ。制作を担当したのは同じくフランスのSPACE PATROL。2004年設立の新進スタジオで、同国内でマクドナルドのCMなどを手掛けている。

本作は独特の質感やHavokによるリアルな破壊表現など技術的にも注目点は多いが、制作において最も苦労したのは「子どもの目線で見た痛みの悪循環」という重いテーマをCGアニメーションでいかに描くかということだった。特定の国・地域を想起させず、作中のような痛ましい状況が世界に確実に存在することを訴えることは容易ではなく、代理店やクライアントと何度も議論を戦わせたとのこと。
CGアニメが見る人の感情にどこまで働きかけることができるのか。この作品はその大きな挑戦のひとつの形と言えるだろう。

映像の最後に少年が歩いている場所の全貌が明かされ、
少年を襲う痛みが終わることなく続いている過酷な現実が示される
| Information | SPACE PATROL http://www.spacepatrol.fr/ NGO「Pain without Borders」 http://mdouleurs.org/ |
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(提供:月刊CGWORLD)
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