2006.05.24
CSS Nite Vol.8レポート

5/18にアップルストア銀座で行われた同イベントの第1部、「ビジネス・アーキテクツのCSSデザイン ~コンポーネント管理のフレームワーク~」をレポート。
CSS Niteとは、WEB標準を進める上で重要な役割を果たすCSSにスポットを当てたイベント。毎月第3木曜日にアップルストア銀座で行われている。第8回は株式会社ビジネス・アーキテクツの取締役/Quality Improvement Directorの森田雄氏がゲスト。日本を代表するWeb制作会社のノウハウの一端が垣間見れるとあって、多くの来場者がつめかけた。

Webデザイナーの地位向上のために
ビジネス・アーキテクツ(以下、bA社)は1999年に設立された。Webデザインがビジネスとして成立し、数々のSHIPS企業が勃興していた時期。bA社設立の経緯はよく覚えている。福井信蔵氏をはじめとして、キラ星のようなメンバーが集まった会社だったからだ。
森田氏によれば、当時のWebデザインはビジネスとして成立していたものの、デザイナーの地位はまだまだ低かったのだという。影響力のあるメンバーによる、最高のWebデザインを通じて、真のコミュニケーションデザインを提供すれば、そんな状況も変わるかもしれない。bA社の設立の背景にはそのような想いもあったようだ。
同社では単にデザイン表現だけでなく、ワークフローやプロジェクト管理方法にも研究を重ね、先進的な試みが重ねられてきた。この日紹介された「コンポーネント管理のフレームワーク」もその一つなのだろう。
フレームワークの変遷
| 1999年 | Hybrid layout |
|---|---|
| 2000年 | Full CSS layout CSSでレイアウトするのが目的。でも属人的で工数がかかる問題から組織対応、ワークフロー化検討へ。 |
| 2001年 | Componentized Elements デザインの意味集合をエレメントと考え始める。 |
| 2002年 | Component collection コンポーネント(CSS、XHTML、グラフィックパーツ、コンテンツの集合体)を組合わせるワークフローが確立。 |
| 2003年 | Component design after Visual design デザイナーがpsdでビジュアルデザインし、マークアップエンジニアがコンポーネント化する流れ。 |
| 2004年 | Component design in conjunction with Visual design プロジェクトの初期からコンポーネントデザインとビジュアルデザインを関係性をもって進める。 |
| 2005年 | Automatic/Semi-automatic generation of component 効率的でブレのない自動/半自動化。 |
これが、bA社で積み重ねられてきたコンポーネント管理のフレームワークの変遷。2000年にフルCSSレイアウトを志向し、2001年にはコンポーネントの概念を導入していたのだから早い。このころの事例が「Harmonate Town」や「NASDA」だ。

手法は変化しているが、森田氏によれば2003年当時の“先にヴィジュアルデザインを行う”やり方が「順当で楽」、一方2004年当時の“同時に進める”手法は「理想的だが工数が読みにくくプロジェクトマネジメント(以下、PM)が難しい」という。
2003年から2004年の変化は、相当ハードルが高いように思えるが、意外にもすんなりいったのだとか。その訳は、実装者とデザイナーのお互いに認め合う理想的な組織風土があったからで、実装者(マークアップデザインエンジニア)がデザイナーを教育しながら徹底していったという。それは、一朝一夕にはマネのできることではない。
bA社のStyle Management Model
「これが2枚目にして最後のスライド」と映し出されたのがこの図。

スクリーンを撮影したものです。
一見何の図か?と思うが、つまるところ…
- 各コンポーネントのCSSのStyle importerが対応するモジュールを読み込み
- モジュールは対応するベース要素を読み込み
- ベース要素は対応するデフォルト要素を読み込み
という形で、コンポーネントの集合体がWebサイト構造として現れてくるということなのだろう(違っていたらすいません)。コンポーネントごとに開発するから複数人数で開発でき、工数もはっきりとわかるので、PMしやすい。リスク範囲が限定的で安全に開発できる。などなど、そのメリットをイメージできる。
さらに効率を求めて、このモデルを自動/半自動化するというのだから、口をあんぐりと「すごい…」と言うしかない感じだ。bA社の実装部隊(マークアップデザインエンジニア、実装専門会社のBA-MP社)は、そんな森田氏の想いを反映した部隊だというが、「コンテンツと情報設計とデザインが初期段階から関係性を持つ新しいワークフローを確立しよう」という気概が先鋭的な取組みを推進させているのでは?と感じた。
#強い意思と試行錯誤の蓄積があって可能なことですが…。
今後のCSS Nite
CSS Niteでは今後のゲストとして、上ノ郷谷太一氏(シックス・アパート)、神崎正英氏、中村享介氏(ロクナナ)ほかが決定している。CSS関連は、めまぐるしくテクニックの動向が変わり、かつ手探りでワークフローを模索している状態。イベントや交流会を通じて、本を読んだだけでは伝わらないものを吸収されてみてはいかがだろうか。詳細はオフィシャルサイトを確認いただきたい。
CSS Nite
株式会社スイッチ
関連リンク
CSS Nite レポート バックナンバー
株式会社ビジネス・アーキテクツ
securecat's exblog(森田雄氏のブログ)
Harmonate Town(bA社制作事例より)
NASDA(bA社制作事例より)
JAL(bA社制作事例より)
アサヒビール(bA社制作事例より)
NTT DATA(bA社制作事例より)
CSS Nite
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