2006.11.20

CSS Nite Vol.14レポート

イメージ:CSS Nite Vol.14レポート

11/16にアップルストア銀座で行われた同イベントの第1部、「愛と情熱のウェブサイト」をレポート。

バックナンバー

CSS Niteとは、CSSを中心にWEB標準を取り巻く状況にスポットを当てるマンスリーイベント。毎月第3木曜日にアップルストア銀座で行われている。第14回はアックゼロヨン(アワード2006でwithDを表彰いただきました)など、精力的に活動を展開されているシリコンカフェの森川眞行氏がゲスト。

このレポートでは、後半のお話、とりわけ設計の重要性に関して取り上げられた内容を整理しておく。

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ワークフロー全体を見通す

DTP黎明期→神戸淡路大震災→Web黎明期→CSSとの出会いといった怒涛の流れを講談さながらに話す森川氏。話はそのまま後半の「Webプロデューサーの仕事」に進んだのだが、会場がオッと身を乗り出したのが、次の図が映し出された瞬間だった。

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ウェブサイト構築のワークフロー(スライドを撮影)
※画像をクリックしてみてください

特に大規模サイトの制作経験に乏しい方、「設計」「実装」「アートディレクション」と分断して業務内容を理解・経験している方は、それぞれのワークがどのように作用し合っているか改めて見ると、見通しがよくなるのではないだろうか。

この図を、3つの段階に単純化すると下記のとおりとなる。

作業の流れ
作業の流れ(スライドを撮影)
※画像をクリックしてみてください

各行(工)程においてさらに細分化されたワークが紹介されたのだが、残念ながら字数の関係で全ては紹介できない。次項以降で各フローでのポイントを確認しておこう。

企画において

森川氏が強調したのは、「デザイナーの気分や好みで“なんとなく”作るな!」ということ。

  • (提供者にとって/利用者にとっての)要求分析
  • (提供者にとって/ウェブ制作者にとっての)達成すべき目標
  • 分析と解析(現状のサイトマップ・HTML・アクセシビリティ、アクセスログ)
  • 要件定義
  • サイト設計指針の策定(ターゲットブラウザ・モニタ・インフラ、ソースコード、スタイルシート、視覚デザイン、アクセシビリティ)
  • ガイドラインづくり

…の過程を通じて、分析・解析に時間を十分にかけ、理論づけた設計や視覚デザインを行うべしとの考えである。ここで、実際に納品されたガイドラインの一例が紹介されたのだが、ワープロ原稿から手書き原稿に至るまでの詳細な入稿方法など、丁寧に網羅されているのが印象的だった。

設計において

森川氏が力説したのは「設計に時間をかけることの重要性」だが、サイトの設計の概念を家の設計に例えると…

  • どんな建築物でも設計図なしでは作れない
  • 何階建てのビルをつくるのか(サイト構造)
  • 導線を考える(インターフェイス設計)
  • 階ごと、部屋ごとの図面(ページ内情報構造)
  • 設計図に合った骨格と基礎(HTML)
  • 利用者のニーズに合わせた内装(CSS)
  • ビルがサイトなら、大規模サイトは都市計画

とのことで、こんな風に考えるとHTMLとCSSの役割を理解しやすいかもしれない。

また、多国籍企業や事業部門が多岐にわたる企業グループの場合、その全てを構築/再構築するのは言わば都市計画であるというのは大いにうなづけるところ。ビジネスアーキテクツの方がアックゼロヨン・セミナーで言及されていたとのことだが、そのような規模の構築が可能な同社だから言えることだろう。

製造~運用において

こうした視覚デザインのアートディレクションと情報構造設計に基づいて、実装を進めることが製造となる。サイトのロンチ後に同様のアートディレクションと設計を網羅したガイドラインに基づいて、日々行われるのがサイトの運用というわけだ。

ただ、それまでの「企画」「設計」の2つの段階が重要なのは改めて説明するまでもないだろう。この2つが十分検討されないと、製造での手戻りの多さや、運用での品質保持の困難に直面することになるからだ。それらを含めて「“なんとなく”作るな!」と森川氏は強調するのである。

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「愛と情熱のウェブサイト」に込められた想い

このセミナーのタイトルを見て、森川さんらしいな(笑)と思う反面、どのような話になるか想像できなかった。元々グラフィックデザイナーだった森川さんだからこその、Web(ページ)デザイン→サイト構築への変化での試行錯誤や戸惑いは非常にリアルな内容だったかと思う。

…じゃぁタイトルに込められた想いって?ということになるが、それは最後のスライドに隠されていた。それを最後に紹介したい。

  • 自分たちのプロジェクトに誇りを持てる
  • 自分たちのプロジェクトにダメだしができる
  • 自分の守備範囲以外を理解する
  • 納品1分前までジタバタする

そんな愛と情熱を持ったプロジェクトへの接し方をしよう、ということである。

スライドに右下には「All The Young Dudes(すべての若き野郎どもへ:デビッド・ボウイの曲名からの引用だろう)」との小さい表示が。若き野郎だけでなく、女性や経験の度合いや世代を越えた幅広いWebクリエイターに、大いに共感を与え勇気づけるメッセージを最後にセミナーは終了した。

今後のCSS Nite

CSS Niteでは年内最後のVol.15を植木真氏(インフォアクシア)を招いて12月21日(木)に開催。また、10月に開催され公表だった有料版のCSS Nite LP, Disk 2 「Dreamweaver CC」を12月8日(金)に。大阪版を11月25日(土)に開催する。イベントや交流会を通じて、本を読んだだけでは伝わらないものを吸収されてみてはいかがだろうか。詳細はオフィシャルサイトを確認いただきたい。
CSS Nite
株式会社スイッチ

(デジタルスケープ 岡本淳)

関連リンク

CSS Nite レポート バックナンバー
アックゼロヨン
シリコンカフェ
All THe Young Dudes(Wikipedia)
CSS Nite

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